Japanische Klassiker mit Furigana
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キリストきょうにゅうもん
キリスト教入門
矢内原 忠雄
Lesen Sie キリスト教入門 (キリストきょうにゅうもん) von 矢内原 忠雄 (やないはらただお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 119.257 Zeichen · 234 Bildschirme
第五章 キリスト教の人間観
一 考える葦
ことに神が「父」なる愛の神であることは、生涯の実験を通してのみ明らかに知り得る真理である。
第五章 キリスト教の人間観
一 考える葦
人間というものは不思議な存在である。パスカルは、人間は「考える葦」だと言ったが、東洋流に言えば、「五尺の体に宇宙を宿す」と言ってもよかろう。葦のような脆弱な身心をもちながら、思考するという不思議な力をもっている。五尺の小さい身でありながら、宇宙の大を考えることができる。学問や芸術に精進するかと思えば、身体のちょっとした故障にきげんをわるくし、神をしたうかと思えば、獣にひとしい餓鬼道に陥る。天と地との間にはさまった矛盾のかたまり、それが人間の姿であるように思われる。
人間は理性によってさまざまの感覚と感情を統制し、一人の人間が一個の小宇宙として、統一ある存在を保っている。しかし精神分裂症になれば理性の統制は失われ、人間の内蔵するさまざまの矛盾はそのまま外に現われて、人間は渾沌と化する。この人間における調和と矛盾、統一と渾沌はほんの紙一重であって、たとえ精神分裂症とまではいかなくても、人はしばしば自己に対する統制力を失い、我と我が身をもてあます。