Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

グースベリーのうれるころ

グースベリーの熟れる頃

宮本 百合子

Lesen Sie グースベリーの熟れる頃 (グースベリーのうれるころ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 6.041 Zeichen · 12 Bildschirme

Aozora Bunko

だってお祖母様――まだほんとうに覚めきらないんですもの

こんな事を云ってかるい声で笑うのが聞えると仙二は誘われる様に微笑みながら藻の花の茎を前歯でかんで一つ処を見つめた目はしきりに間ばたきをして居た。

かなりの長い時間が立っても花の事は何とも云われなかった。奥の部屋で女中と笑って居る娘の声や箪笥のかんの音なんかが意地悪いまでに仙二の気をいらだてた。

首を一つふって仙二は垣根からはなれてどこと云うあてもなく畑の方に歩き出した。

畑地の足のうずまる様なムクムクの細道をうつむいて歩きながら青い少し年には骨立った手を揉み合わせては頼りない様に口笛を吹いた。

畑の斜に下って居る桑の木の下に座って仙二は向うに働いて居る作男のくわの先が時々キラッキラッと黒土の間に光るのや、馬子が街道を行く道かならずよる茶屋めいた処の子達が池に来て水をあびて居るのなんかを見て居た。

仙二のすきな歌も口には出て来ず、こないだの晩娘がうたって居た細かい節廻しの歌を思い出し思い出し所々間違えながら小声にうたったりした。

畑地に座って仙二は時の立つのを知らなかった。

もう午近くなった頃、向うの葡萄園の方からしぼりの着物を着た娘が女中と何か話しながら来るのを見つけた。