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Japanische Klassiker mit Furigana

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ココナットのみ

ココナットの実

夢野 久作

Lesen Sie ココナットの実 (ココナットのみ) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 17.448 Zeichen · 35 Bildschirme

Aozora Bunko

教えておくれよ。ハラム、どうしたらいいんだか……」

妾はそう云いながらハラムの頸をヤケにゆすぶった。逞ましい脂切った筋肉に、爪を掘り立てるくらいキツクゆすぶった。けれどもハラムはビクともしなかった。軽々と妾を抱えたまま長椅子の前に突立って、妾の顔をマジリマジリと見詰めているきりだった。

「……ヨウ……ハラムったら、教えてよう。どうして妾こんなに淋しいんだか……。お前は妾の家来じゃないか。何でも妾の云い付け通りの事をしてくれなくちゃダメじゃないの……お前はいつも妾の云いつけ通りに……」

ハラムがやっと表情を動かした。妾の瞳の底の底をのぞき込むように、青黒い瞳を据えたまま……赤い大きな舌を出して、口のまわりの鬚をペロリと甞めまわした。そうしてシンミリとした、落ち付いた声を出した。

「……わかりまして御座います……お姫様……何もかも運命で御座います」

ハラムは、そうした気持ちの妾を又も軽々と抱き上げて、ノッシノッシと歩きながら、室の真中に在る紫檀の麻雀台の前に来た。それは牌なんか一度も並べた事のない、妾達の食卓になっていた。その前に据っている色真綿の肘掛椅子の中に妾の身体を深々と落し込むと、その上から緞子の羽根布団を蔽いかぶせて、妾の首から上だけ出してくれた。