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Japanische Klassiker mit Furigana

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ジロリのおんな

ジロリの女

坂口 安吾

Lesen Sie ジロリの女 (ジロリのおんな) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 51.597 Zeichen · 102 Bildschirme

Aozora Bunko

待合へつれこんで、衣子と寝たその部屋で、私はかねての思いをとげた。

私という奴がどんなバカだか、すでに皆さん御承知の筈だ。

私は結果の怖しさを知りながら、本能的な何かに惹かれて、すでに事をやり終っているのである。

私はヤス子に恋いこがれ、あこがれ、祈り、狂っているのである。そのヤス子の名をかたり、ヤス子の慈しむ少女をさらって暴行する、ヤス子は怒り、蔑み、私を捨てゝ去るであろう。

私はヤス子に捨てられる日の不安のために、日夜を問わず悩み狂っているのである。その不安と怖れにくらべれば、美代子などは何物でもない。魅力もさしたるものではなく、衣子への復讐の誓いと云っても、それも、今は、すでにさしたるものではなかった。

そのくせ、思いたつ。熱心に計画する。私は緊張し、図太くなり、そして、私の目の鉛色に光りだすのが自分にも分るように思われる。メンミツに、ジンソクに、着々と、私はすでに実行しているのであった。

オロカである。オロカ。オロカ。ああ! オロカ。オロカモノよ。

すでに、すべては、破滅したと思った。

どうして再びヤス子の顔を見る勇気があろう。

私は美代子と、せめて最後の悲しい旅にでようと思った。