Japanische Klassiker mit Furigana
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トシオのみたもの
トシオの見たもの
岡本 かの子
Lesen Sie トシオの見たもの (トシオのみたもの) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 10.531 Zeichen · 21 Bildschirme
五
「お祖父さん。これ、どこから持っていらしった?」
「これはお前に見せる為に、神様からわざわざわしが拝借して来たのだよ」
トシオはさっそくその眼鏡を、しっかり眼に宛てました。
お祖父さんは、すっくと立ち上って、トシオの眼の前に現れて来るフイルムの説明を始めました。お祖父さんが今手に取り直した、銀の杖を、きらりきらりと振る度にフイルムは廻転してゆくのでありました。
五
以下しばらくは、フイルムについて、お祖父さんの説明ばかりが続きます。
先ずトシオの眼の前へはっきりと現れたのは、ひろびろとした天と地と、海と太陽をうしろにして立った、何とも云い様の無い気高いひとりの人の姿です。
「あれは「原始の国」に立って居られる神様のお姿だ」
とお祖父さんは云いました。
トシオはなおも、眼をみはりました。
フイルムが廻転しました。
神様は片方の掌に、真白な大きい一つの玉子をのせていられます。
「あれは神様が或日、たったひとつお生みなされた御秘蔵の玉子なのだ」
お祖父さんの説明はだんだん進んで行きます。
神様はその玉子を、何気なさそうに、ぽんと落して破られました。するとその破れ目から、赤、白、黒、青の四羽の小鳥が、勢いよく現れました。