Japanische Klassiker mit Furigana
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トシオのみたもの
トシオの見たもの
岡本 かの子
Lesen Sie トシオの見たもの (トシオのみたもの) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 10.531 Zeichen · 21 Bildschirme
四
というたった一人の王様のあることを、お前達の世界の人は忘れて居るのだ」
「では神様の居らっしゃる「原始の国」というのはどこにあるのですか」
「それは直ぐに、お前達の棲む世界の隣にあるのだ」
「それでどうして僕達には、それが見え無いのですか」
「それはお前達の眼のせいなのだ。お前達の世界の人達は、あんまり長く神様を見ようとしなかったので、すっかり瞳が曇って仕舞ったのだ」
四
お祖父さんに曇って居ると云われた自分の眼を、トシオは幾度も、しばだたいて見ました。そしてまた改めてトシオは、お祖父さんの瞳を覗きました。
「お祖父さんの瞳は、神様を見ることが出来たので、それでそんなにすきとおって来たのですか」
「ああ、そうだ」
「そしてお祖父さんはいつでもその神様の国でそんなに、長い着物を着て、銀の杖をついて居るんですか」
「いいや、いつでもというわけもない。わしは時には、白い気体となって飛んで居たり、黒い土となって居たり、様々な形や色に変って居るが、しかし、どんな時でも、何に変っても私は私なのじゃ。その国ではな、一つの魂が、いつも同じ一つの形で居なければならないと云う様な不自由なことは無いのだ」