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Japanische Klassiker mit Furigana

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ニッケルのぶんちん

ニッケルの文鎮

甲賀 三郎

Lesen Sie ニッケルの文鎮 (ニッケルのぶんちん) von 甲賀 三郎 (こうがさぶろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 18.523 Zeichen · 37 Bildschirme

Aozora Bunko

先生の手紙が通帳の一件とは何の関係もないし、それに先生の手紙は破いてくれとあったのでその通り破いたのですって、怪しいわね。それに研究の事をいうと真っ蒼になったんですもの。何ていったって、清水のした事に違いないじゃありませんか。だけどどうしても白状しないのよ。

『甚だ差し出がましいようですが』下村さんがだしぬけに検事さんにいったの、『本件には一、二矛盾した所があるように思います。第一には兇器たる文鎮には歴然と指紋があって、犯人が部屋中を捜索したと認められるにもかかわらず、他に同様の指紋が現れない事で、兇行後手袋をはめるという事はちょっと常識では考えられませぬ。つまり犯人が二人いたか、あるいは指紋が兇行前既についていたか――』

『そんな事はないわよ』あたし思わず下村さんにいったの。『だって先生はあの文鎮が錆びるのが心配で始終拭いてらしったし、あたしも毎朝一度はきっと拭くんですもの』

『私も下村君の説に賛成です』内野さんがいったの。『この本箱を探した男は明らかに余程背の低い男です。ご覧の通り下から出した本を積み重ねて踏み台にしています。清水さんなら、無論踏み台なしで届きましょう』