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Japanische Klassiker mit Furigana

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ノンシャランどうちゅうき

ノンシャラン道中記

久生 十蘭

Lesen Sie ノンシャラン道中記 (ノンシャランどうちゅうき) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.011 Zeichen · 23 Bildschirme

Aozora Bunko

多分これがポピノの墓であろうと、その方へ近づいてゆきながら、その十字架の前にしゃがんでいる男の顔を見ると、ナントそれは、死んだはずの馬面のコルシカ人、しきりに自分の墓の草むしりをしている様子。これは! と驚いた二人が、同音に、

「あんたは!」

「君はあの馬面の……」と、声をかけると、馬面はてれくさそうに掌をもみながら、語り出した。

「あの(極楽荘)はヴイコの町長の夏別荘だったんですが、この五年前からぶっつり来ないようになったので、まあ、ずるずるべったりに、部落の共同の倶楽部ということになっていたんです。日曜日にはあそこへ集まって、茶煙草を飲みながらしゃべり合うのが、この部落のなによりの楽しみ。そこへあんた達が乗り込んで来たんだ、年寄りなんか、がっかり力を落して滅入っているんです。一体、あそこに飾ってあった賞牌ってのは、コルテ市の射撃会で、部落の若いものがとった一等賞の記念。その当人にとっては、命から二番目という品。姫鱒は大将がグラヴオネの河で釣りあげた自慢のもの、それを、あんた、賞牌はどっかへすててしまう。鱒は酢をかけて喰ってしまう。おまけにあの鳩は、村で急な病人ができたときに、コルテの町まで飛ばしてやる大切な伝書鳩だったんです。