Japanische Klassiker mit Furigana
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ノンシャランどうちゅうき
ノンシャラン道中記
久生 十蘭
Lesen Sie ノンシャラン道中記 (ノンシャランどうちゅうき) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.357 Zeichen · 27 Bildschirme
畜生とはいいながらあんまり理解がなさすぎる。貴様は馬鹿か気狂いか、それとも親代々の色盲か。それでは、これならどうだ」
と、そばにあった緑の風呂敷を頭からかぶって、ナポレオンの鼻の先へぬウと出ると、とたんに躍りあがったナポレオンはコン吉の襟首へ角を引っかけはるか向うの空堀の中へ投げ出した。
「ははア、そういうわけであったか」と、コン吉はタヌに助け起こされて、痛む腰を撫でながら、ようやくの思いで堀から這いあがると、ポピノは、
「そういえば思い当ることがあるでがす。郵便配達の青服が部落を通ったら、一日一杯山中を追い廻したことががしたが、……へえ、それではさっそく青い操布であしらってせいぜい突撃術とやらの修業をさせることにいたしやしょう。……それにつけても、お二人さんのお話では、ヘルキュレスの奴め、前足に腫れ物ができているということでがんしたが、なにしろ日もないことだし、それ例の読心術の応用で、藁牛の前足に的を付け、そこばかり一心に突かしたら、阿呆も一字で、きっとうまくゆくに違えございません」
これは名案だというので、さっそく藁を束ねて牛を作り、しきりにあとから駆り立てるところ、血の廻りの悪いナポレオンも、ようやく事の次第を了解したと見え、むやみに駆け寄っては突きかけるが、どういう故障かなかなか思う的に行きあわない