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Japanische Klassiker mit Furigana

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ノンシャランどうちゅうき

ノンシャラン道中記

久生 十蘭

Lesen Sie ノンシャラン道中記 (ノンシャランどうちゅうき) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.357 Zeichen · 27 Bildschirme

Aozora Bunko

この恐ろしく立派な外出着を着た令嬢が、まるで乾鱈のようにやせた牛を一匹ひいて、ちょうど出勤時の取引所の雑踏のなかをそそと漫歩しながらやって来た。――犬ではない牛なんだ。

そこで件の乾物屋の店先で。

「これは、ま、卵みたいす。……一体なんの卵だろ」と、よろず、もの珍らしいコルシカ人がまず、こう声をかける。

すると、その声を聞きつけて店のなかから飛んで出て来たのが、名代のマルセーユ人。

「旦那、これは象の卵ですテ」

「あらま、これが象の卵ですの」

「さいス。これをネ、五日も抱いてるてえと、ちいちゃな象が生れて来るんですヨ。ちいさな鼻をヒョコ、ヒョコと動かしてサ。かあいいじゃありませんか。こいつを一つ十法で買ってさ、うまく育てりゃ、アンタ、何千法に売れようてんだ。ものはためしだ、一つお買いなさいヨ。コルシカに象がいるなんてのも乙リキシャッポでサ」

「ま、面白いこと」

そこで、コルシカ人は考えた。十法が千法。いや悪くない。そこで三つばかし買って家へ帰った。そして、卵をかかえて寝込んでしまった。ちょうど三日目の朝、同郷人の赤土焼売が心配して訪ねて来た。

「はて、患ったかね」