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Japanische Klassiker mit Furigana

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リラのてがみ

リラの手紙

豊田 三郎

Lesen Sie リラの手紙 (リラのてがみ) von 豊田 三郎 (とよださぶろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.702 Zeichen · 30 Bildschirme

Aozora Bunko

しかし青江の奴、いつ逃げ出すかしれない。そうしたら自分はどう感ずるだろう、ホッとするか、失望するか、考えまわし、ガスの充満した部屋を描き、無様に死んでいる二人を他人の様に想像していた。

久能が本当に死にかかったのはその初夏だった。職を求めるために無理をして、よい経過をとらなかったので、久能はその頃、治療費に窮して、三ツ木に紹介された医学生から薬をもらっていると、その不注意で余り薬が劇しすぎたため、排尿が困難になり、文字通り部屋中七転八倒して苦しんでいると、膀胱が破裂し、危篤に陥入った。久能は勿論、死を覚悟していた。若い精神の本能的な不透明さが遂に此処まで来たのを知って、すべてを何か知らぬが、大きなものの手に委ねつくして、あわてたり、わめいたりしようとしなかった。勿論、久能にしても、これからまだまだなし遂げたい仕事もあり、老母も気がかりであったが、今になっては戦い疲れていて、自分の死を比較的冷やかに待っていた。病室には三ツ木が蒼白になって付きそっていた。彼はどういう縁故からか、ある銀行に入りこみ、算盤も出来ないのでそこでは接待掛をやり、一朝、事ある時の警衛の役目も持ち、普断は箒をかかえて掃除役をしているのであったが、久能のいる病院に駈けつけて来て、彼の黒ずんで、全く弾力のない顔をみると、大変なことになった