Japanische Klassiker mit Furigana
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リラのてがみ
リラの手紙
豊田 三郎
Lesen Sie リラの手紙 (リラのてがみ) von 豊田 三郎 (とよださぶろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.702 Zeichen · 30 Bildschirme
久能は尚、説いて、どうせ人間の口でいう事なんか信じられない。あなたがその意地で、他人になって死んだら僕はうれしいんだ、二人が苦しみ出して絶命する迄に、きっと僕はどうしてもあなたを信じないではいられない瞬間にぶつかると思っているんだよ、僕を本当に愛しているのだったらこんな無理きいてくれないか?
久能はそういいながら青江から圧迫を感じた。青江が本当に久能の自殺する気になっていないのを察し切って、あわて出さずにいるらしい、彼女があわて出さずにいれば、自分の方が先にあわて出すだろうと思うと、久能はもう観念の眼を閉じて、青江に負けていてはもう切りのない悲惨だ。本当に自殺しようとあやしい決意にゆすぶられ不安になって来た。それは丁度青江のなかにとびこんでいく前の不安と同じな怖しく、蕩かすような誘惑だった。
久能と青江は街に出てキネマを見に這入った。久能は無感覚に画面をみつめ、青江の手を握っていた。楽しいようでもあった。そして、死というものはこんなに安易な、まやかしなものなのだろうか? と考えていた。青江にも変った風はなく、ときどき花粉にまみれたように化粧した顔をふりむけて久能に笑いかけ、指に力をこめた。