Japanische Klassiker mit Furigana
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おもいで
ロッパの悲食記
古川 緑波
Lesen Sie ロッパの悲食記 (おもいで) von 古川 緑波 (ふるかわろっぱ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 52.651 Zeichen · 114 Bildschirme
藍染附の、大きな皿は、ルイ王朝時代のものを模した奴で、これは、戦後の作品ではない。疎開して置いたものに違いない。この皿は、昔のまんまだ、少くとも、これだけは。
ビフテキは、如何焼きましょうと言われて、任せると言ったので、中くらいに焼けている。ここにも昔の味があった。近頃のビフテキには無いんだ、この味。悪く言えば、何んだかちいっと、おかったるいという味。然し、ビフテキってもの、正に昔は、こうだった。
子供の昔に返ったような気持で、ビフテキを食い、色々綺麗に並んでいる添野菜を食う。
温・冷さまざまの料理が、一々念入りに出来ていたのが嬉しい。此の藍色の皿で、野菜を食っていて、ふいッと思い出した。
そうだ、僕が、生れてはじめて、アテチョック(アルティショー―食用薊)ってものを食ったのは、神戸の弘養館だった。
中学生か、もっと幼かりし日かの僕。アテチョックを出されて、食い方が分らなくて、弱ったんだっけ。そして、僕を連れて行って呉れた伯父に教わって、こわごわ食った。その時、伯父は、これはアテチョコというものだと、それも教えて呉れた。
昔のことを思い出しながら、食い終って、僕は、此の店の主人に会いたいと申し入れた。