Japanische Klassiker mit Furigana
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いちにち
一日
宮本 百合子
Lesen Sie 一日 (いちにち) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 1.275 Zeichen · 3 Bildschirme
と云う。
主人が旅行中で十四日後でなければと云う。
それでよいから、次手に、マンドリンの第一の絃を二本持って来て下さいと云ってやる。
楽器屋や本屋の取次が、はきはきして居ないのはほんとうに気持が悪いと思う。
早口で云われるとききとれない様な頭では駄目じゃあないかと思ったりして居ると、母が寿江子の頭がひどいから来て見ろと云う。
ほんとにまあ可哀そうに、頭の地一杯に何だか、かさぶたの様なものがついて居る。
産れた時すぐオーレーフル油で拭いてやるべきを、あの看護婦がしなかったのだと云う。
口の中の消毒が完全でなくて、「がこうそう」が出来そうにまで、舌苔の様なものをつけさせた上にこんな事までして行ったかと思うと、あの髪のちりちりの四角ばった頭の女が憎々しく思い出される。
母が何か少し差図めいた事を云うと、すぐ変な顔をし万事のみこんで居ますと云う様な態度が、居る時からいい感じを与えて居なかった。
一やかんもの熱湯を髪の癖なおしにつかって、一時間位鏡の前に座って居た彼の女をよく云うものはない。
頭の地にすっかりオレーフル油を指ですりつけて、脱脂綿で、母がしずかに拭くと、細い毛について、黄色の松やにの様なものがいくらでも出て来る。