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Japanische Klassiker mit Furigana

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おりき

三好十郎の仕事 第二巻

三好 十郎

Lesen Sie 三好十郎の仕事 第二巻 (おりき) von 三好 十郎 (みよしじゅうろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 119.279 Zeichen · 238 Bildschirme

Aozora Bunko

青年はそれを眺めている。百姓は、しかし、山国の人が山の中で一人で働く時の常で、そのあたりに人が居ようなどとは思っても見ないので傍目もふらず、直ぐに又、何かわけのわからぬ鼻唄を無心にフンフンとやりながら麦畑のウネをヒョコリヒョコリと越えて穂波の中にもぐり込んで行き、鎌を掴んで、再び刈りはじめる。その急ぎはしないが、又休みもしない鎌の音と、低い鼻唄が静かにきこえる。そう言えば、その鎌の音と鼻唄とは、まるで高原の真昼の静けさ自身のつぶやきのように、はじめからきこえていたのである。……もっ立てた尻が、麦の波の中に動く。青年、水筒の口をとり、水を呑みながらおかしげに動く尻を見ている。

――間。

やがて再び、百姓は刈取った麦を抱えて、仕事場の方へ。

青年 ……(近づいて来る百姓を見迎えて)あのう、ちょっと――?

百姓 わい!(ビクッとして一二歩飛び退るようにする。無心に歩いている子供が不意に物蔭から飛び出して来たものにおどかされるのと同じで、仕事に没入しきって何物も見も聞きもしなかったのを急に呼び醒されて驚いたのである。眼をパシパシさせて青年を見る)ほっ!

青年 ……(相手の驚きようがあまりひどいので、却って此方がビックリして)あのう……チット、伺いますが……。