Japanische Klassiker mit Furigana
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おりき
三好十郎の仕事 第二巻
三好 十郎
Lesen Sie 三好十郎の仕事 第二巻 (おりき) von 三好 十郎 (みよしじゅうろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 119.279 Zeichen · 238 Bildschirme
なんですねえ、人と人とが、たった一度きり逢って、それっきり別れる……なんと言う不思議な因縁でしょうねえ。誰に向ってお礼を言ってよいか、わからん。ありがたくなります。
女 へえ、おふろくさんでやすか?……(なんの話だかわからず、青年を見る)
青年 ハハ、いや、それは此方の話です。どうも――
(言っている所へ、奥の麦畑の方から刈り取った麦束のかさばったのを、荒縄で引っかけて背負いにした百姓が、前こごみになってユサユサと戻って来る。青年と若い女がそれを見迎える。……百姓は千歯の傍の所で、荷物ごと仰向けにひっくり返るような具合にして麦束をおろす)
百姓 どっこいしょと!(立上り、後ろへ廻って、千歯の踏板を踏む)
女 おばさん、湯がわいた。一服したら――。
百姓 ……(それには返事もせず、麦束を一つ取って千歯にかけながら、いきなり話し出す)へえ、昔なあ、板橋の下の宿に五兵衛と言う半百姓の猟師がいた。えら年功を終た熊が出やがってなあ……うむ、昔はこの辺にも熊が居たそうだ。畑あ荒すし、第一、物騒で山仕事も出来ねえつうので、とっつかまえろと言う事になってよ、この奥に追い込んだ。