Japanische Klassiker mit Furigana
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さんあくにんものがたり
三悪人物語
山本 周五郎
Lesen Sie 三悪人物語 (さんあくにんものがたり) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 28.990 Zeichen · 58 Bildschirme
燗徳利はひとりでひょいと畳の上へとびだし、嘲弄するように左右へ揺れながら、恐るべきことをしゃべりだした。
「おまえたちのする事はわかった、官と商人と結託して消費禁令を出し、領民の生活を拘束してあらゆる物資を退蔵し、裏口商売による暴利をむさぼるのみか、退蔵物資を横に流して巨額の利を得てきた、今また幕府の監察使が来ると聞いて、その前に大量の蔵匿物を処理して大儲けをやろうとしている、だがそれは不可能だ、隠匿されている物資はすべて領民に所有権がある、なぜならそれは領民の極端な耐乏生活と、支払わされた不当価格によって生じた余剰だからだ、返さなければならない、領民にすべてを返さなければならない、わかったかね諸君」
えいという絶叫と共に蓑賀殿が燗徳利に抜打ちをくれた。燗徳利はひょいと宙に浮き、蓑賀さんの上へ来て横にかしいだ、蓑賀氏は頭から酒を浴び、怒って刀を振り廻した。
「あははははまた会うよ」
徳利はこう嘲笑したと思うと、来六屋出平の上へ落ちて来て、その頭に当たってがちゃんと三つに割れた。三人は夢中になって徳利のかけらにとびかかり、一つ一つ手に取って念入りに調べた、だがそれらはいささかの瞞着も機関もない単なる徳利のかけらで、妖異を証明するなにものも存在しなかった。