Japanische Klassiker mit Furigana
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さんあくにんものがたり
三悪人物語
山本 周五郎
Lesen Sie 三悪人物語 (さんあくにんものがたり) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 28.990 Zeichen · 58 Bildschirme
という急報がもたらせられた。
「おれは破滅で、間違いなしに二重の大破滅だ」参蔵殿は白眼を出した、「もうだめだ、救いようがない、逃亡だ」
「いやむしろこれからですよ」成助はそろそろ鴨へ網を掛け始める、「蓑賀さんともある人物が、こんなことで弱音をあげる手はありません、お側に持木成助という人間のいることをお忘れになったのですか」
「おおおまえ持木屋、おまえなにか――」
「とにかくこれを見ていただきましょう」
成助は七枚の証書を差し出した。参蔵殿は手をふるわせてそれを見た、なにを隠そうかの船荷証券である。米五千俵、呉服太物四千反、糸綿千二百貫、海産物千二百貫、酒五百樽、醤油味噌八百樽、その他なになにという巨額な物資で、菱垣船の和田屋忠兵衛の振り出しにかかる歴とした証券だ。諸君は御存じであろう、これは八百助から来六屋へ渡され、来六屋が八百助に貸す五千両のかたに持木屋へ渡したものだ――蓑賀殿は夢かと思った、次いで死地からよみがえり、よみがえって本性を取り戻した。これだけあれば取引をすませても余る。
「和忠の証券ならたしかだが」参蔵殿はぐっと威厳を示された、「しかしこれをどうにかできるのか」