Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ふざいじぬし

不在地主

小林 多喜二

Lesen Sie 不在地主 (ふざいじぬし) von 小林 多喜二 (こばやしたきじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 69.990 Zeichen · 141 Bildschirme

Aozora Bunko

」

「岸野さんどう出るかな……。」

不貞腐れて、時々酒に酔払ってくる小作も出来た。――辻褄の合わないことを、一人で恐ろしく雄弁にしゃべった。

「ああいうのば犬ッて云うんだ」

三井の砂川炭山へ、馬を持ってトロ引きに出ていたもの、H町の道路普しんに行っていたもの、灌漑溝の土方へ日雇に行っていたもの、山林の夏出しに馬をやはり持って行っていたもの……それ等が九月中旬過ぎると、みんな帰ってきた。

実が黒く腐っていても、穫入れて「米」にしなければならない。それから一ヵ月位の間、小作は朝三時頃から夜の七時、八時頃迄働き通した。――収穫は「五割」減っていた。

五割! では小作は一体何のために働いたんだ。

健は稲のいがらッぽい埃で、身体をだるまにしながら、「やめた、やめた!」カッとして、そのまま仕事を放り出して、上り端に腰を下してしまった。

「恵、少し踏め!」

お恵は兄の剣幕を見ると、イヤイヤ立ち上った。――台所にいた母親は黙っていた。

「半分だ。――ええもんだな。一年働いて半分しか穫れなかったら、丁度小作料だべ。岸野さそのままそっくりやっても足りねえ位だ。――百姓がよ一年働いたら、一升位な、たった一升位気ままに自分の口さ入れたって、罰も当るめえ……。