Japanische Klassiker mit Furigana
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せけんし
世間師
小栗 風葉
Lesen Sie 世間師 (せけんし) von 小栗 風葉 (おぐりふうよう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 17.390 Zeichen · 36 Bildschirme
「お前さん、布団ならあそこの上り口に一二枚あったよ。」と教えてくれた。
で、私はまた上り口へ行って、そこに畳み寄せてあった薄い筵のような襤褸布団を持ってきて、それでも敷と被と二枚延べて、そして帯も解かずにそのまま横になった。枕は脂染みた木枕で、気味も悪く頭も痛い。私は持合せの手拭を巻いて支った。布団は垢で湿々して、何ともいえない臭がする。が、それはまだ我慢もできるとして、どうにもこうにも我慢のできないのは、少し寝床の中が暖まるとともに、蚤だか虱だか、ザワザワザワザワと体じゅうを刺し廻るのだ。私が体ばかり豌々させているのを見て、隣の櫛巻がまた教えてくれた。
「お前さん、こんなとこで寝るのに着物を着て寝る者があるもんですか。褌一筋だって、肌に着けてちゃ、螫られて睡られやしない、素裸でなくっちゃ……」
なるほど、そう言われて気をつけて見ると、誰も誰も皆裸で布団に裹まって、木枕の間から素肌が見えている。私も帯を解いて着物を脱いだ。よほど痒みも少なくて凌ぎよい。その代り秋末の肌寒さに、手足を蝦のように縮めて寝た。
周囲は鼾や歯軋の音ばかりで、いずれも昼の疲れに寝汚く睡りこんでいる。