Japanische Klassiker mit Furigana
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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
Lesen Sie 丹下左膳 (たんげさぜん) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 340.187 Zeichen · 666 Bildschirme
だ。
が、その前に、乾坤の二刀を佩いたその年の覇者を先頭に、弥生が提灯をさげて足もとを照らし、鉄斎老人がそれに続いて、門弟一同行列を作りつつ、奥庭にまつってある稲荷のほこらへ参詣して、これを納会の式とする掟になっていた。
植えこみを抜けると、清水観音の泉を引いたせせらぎに、一枚石の橋。渡れば築山、稲荷はそのかげに当たる。
月の出にはまがある。やみに木犀が匂っていた。
――丹下左膳に、ともかくおもて向ききょうの勝抜きとなっている森徹馬が打たれてみれば、いくら実力ははるか徹馬の上にあるとわかっていても、その徹馬に負けた栄三郎を今から出すわけにはゆかない。栄三郎もこの理をわきまえればこそ辞退したのだ。何者とも知れない隻腕の剣豪丹下左膳、そこで、刀痕あざやかな顔に強情な笑をうかべ、貼り紙を楯に開きなおって、乾雲丸と娘御弥生どの、いざ申し受けたいと鉄斎に迫った。いや、あれは内輪の賞で、他流者には通用せぬと説いても、左膳はいっこうききいれない。老いたりといえども小野塚鉄斎、自ら立ち向かえば追っ払うこともできたろうが、今日は娘の身にも関係のあること、ここはあやして帰すが第一、それには乾雲丸さえ許せば、よもや娘までもと言うまい――こう考えたから、そこは年輩、ぐっとこらえて、丹下を一の勝ちとみとめた。