Japanische Klassiker mit Furigana
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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
Lesen Sie 丹下左膳 (たんげさぜん) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 340.187 Zeichen · 666 Bildschirme
この日も冬には珍しい折りからの晴天を幸い、年のくれの景況でも見ようとぶらりと屋敷を出たものであろう。思うこともなさそうに越前守忠相、人を避けてあるいてゆく。あとに続く伊吹大作の気づかれは大変。なにしろ八方に目をくばって、ひとりで鯱張ってお供をするんだから――。
小僧の喧嘩にもぶつかれば、馬のいばりも飛ぶ。遊戯にほうけた女の児が走り出て来てよろけたり、職人がお前を近く横切ったり……そのたびに大作ははっとするが、忠相にはすべてがほほえみと見えて、にこやかに左右を見渡しながらおおらかに歩を運ぶ。
観音様には、江府第一の大市。
並木の通りから雷神門へかけて、押すな押すなの人波である。
これはこれは!
というふうに、越前守の笑顔が大作をふり返った。
お江戸名物あさくさ歳の市。
町々辻々は車をとめ、むしろを敷いて、松、注連縄、歯朶、ゆずり葉、橙、柚……。
立ち並ぶ仮屋に売り声やかましくどよんで、臼、木鉢、手桶などの市物が、真新しい白さを見せている。
浅草橋からお蔵まえ、駒形並木、かみなり門の往来東西に五丁ほどのあいだ、三側四側につらなって境内はもとより立錐の余地もない盛りよう。