Japanische Klassiker mit Furigana
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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
Lesen Sie 丹下左膳 (たんげさぜん) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 340.187 Zeichen · 666 Bildschirme
げに眼をほそめている……無言。
忠相は動じない。委細かまわずに語をつづけるのだった。
「茶には水が大事と申してな、京おもてでは加茂川、江戸では多摩川の水に限るようなことをいう向きがあるが、わしなぞはどこでもかまわん。まだそこまでいっておらんのかも知れんが、水を云為するなど末だと思う。近いはなしがこれは屋敷の井戸水じゃが、要するに心じゃ。うむ、お茶の有難味はこの心気の静寂境にある。どうじゃなお主、いま一服進ぜようかの?」
「いや、茶もいいが、どうもあとの講釈がうるそうてかなわん。あやまる」
泰軒がとうとう正直に降参して頭をかくと、越前守忠相、そうら見ろ! というように上を向いてアッハッハハと笑ったが、すぐにまじめな顔に返ってじろりと泰軒を見すえた。
沈黙、
泰軒は何か用があって来は来たものの、その用むきが言い出しかね、忠相はまた忠相で大体泰軒の用件がわかっていながら、自分からすすんではふれたくない――といったようなちょっとぎごちない間がつづいている。
忠相がふきんを取って茶碗をみがく音だけが低く部屋に流れて、泰軒は困ったように腕ぐみをした。
いつも深夜に庭から来る蒲生泰軒、きょうも垣を越えて忍んで来たのかと思うとそうではない。