Japanische Klassiker mit Furigana
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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
Lesen Sie 丹下左膳 (たんげさぜん) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 340.187 Zeichen · 666 Bildschirme
わたしずれに公然に同座を許すわけにはゆかないので、黒を使ってくだしおかれるありがたいお言葉!
なんというお情けぶかい!
お顔を拝んだら眼がつぶれるかも知れぬが、これ以上御辞退申すはかえって非礼と、お艶は、はいとお応えするのも口のうちに、そこは女、手早く裾の土を払い髪をなおして、おそるおそるあがりこむと、お部屋のすみにべたりと手を突いた。
お顔を拝むどころか、カッと眼がくらんで、うしろの障子をしめる手もワナワナとふるえる。そのまま泰軒のかげに小さくなった。
と、越前守忠相、はいって来たお艶へは眼もくれずに、すでに悠然と泰軒へ向きなおって、他意なくほほえんでいる。
「わっはっはッ!」
何を思ってか、泰軒は突如煙のような笑い声をあげた。すると、しばらくして忠相も同じように天井を振り仰いで笑った。
「あッはっはっは!」
しぶい、枯れたお奉行様のわらい声……お艶がいよいよ身をすくめていると、忠相はみずから立って床の間から碁盤をおろして来た。
「泰軒、ひさしぶりじゃ。一局教えてつかわそう」
「何を小癪な! 殿様の碁の相手だけはまっぴらだが、貴公なら友だちずくに組しやすい。