Japanische Klassiker mit Furigana
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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
Lesen Sie 丹下左膳 (たんげさぜん) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 340.187 Zeichen · 666 Bildschirme
来い!」
「友達ずく――と申すが、私交は私交、公はおおやけ……混同いたすな」
なぜか泰軒はグッとつまったかたち。
その前へ盤を据えた越前守、たちまち黒白ふたつの石をぴたりと盤面へ置いて、
「サ、蒲生! この黒い石と白い石――相慕い、互いに呼びあう運命のきずなじゃ。どうだな……?」
驚愕のいろを浮かべた泰軒、ううむ! とうなって忠相を見あげた。
パチリ!……と盤面にのった二つの石。
ひとつは白、他は黒。
これが相慕い、たがいに求めあう運命のきずなじゃ――という、思いがけなくも委細を知るらしい越前守忠相のことばに、泰軒は、ううむとうなって忠相を見た眼を盤へおとして、ガッシと腕を組んだ。
うしろのお艶も、何がなしに、はっと胸をつかれて呼吸をのむ。
が、忠相は平々然……。
しばらくじっと盤上の二石を見つめていたが、やがて、ウラウラ障子に燃える陽光におもてを向けて、夢語のごとくにつづけるのだった。
あかるい光が小ぢんまりした茶室いっぱいにみなぎって、消え残る香のけむりが床柱にからんでいる。
この二、三日急に春めいて来たきちがい陽気、こうしていてもさして火の恋しくない、梅一輪ずつのあたたかさである。