Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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たんげさぜん

丹下左膳

林 不忘

Lesen Sie 丹下左膳 (たんげさぜん) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 340.187 Zeichen · 666 Bildschirme

Aozora Bunko

さんざ時雨のさざめきも夜なかまで。

夢八のお艶が伊兵衛を送ってまつ川の門ぐちへ出たときは、さしも北里のるいを摩するたつみの不夜城も深い眠りに包まれて、絃歌の声もやみ、夜霧とともに暗いしじまがしっとりとあたりをこめていた。

そとへ出るとすぐ、伊兵衛は夢八を押し戻すようにした。

「いや、お艶さん――、じゃアない、もう夢八姐さんだったね、はははは、ここでたくさん、夜風はぞっとします。風邪を引きこんだりしちゃアいけない。さ、構わずはいっとくんなさい。またね、何かつらいことがあったら遠慮なく言って来なさるがいい。お前さまは大岡様からの大事な預り人で、困って芸者に出る人じゃないから、嫌になったらいつでも廃業すこった。ここの親方は、さっきの話でも知れるとおり、よっくわかった仁だから決してむりなことは言やしないが……マア気のすすまない座敷はドンドン断わって、保養に来たつもりでせいぜいきれいにして遊んでいなせえ。なみの芸者奉公たア違うんだから気を大きく持つんだよ。なアに、クヨクヨするこたアねえやな。またすぐにいい日が廻って来ようってもんだ」

「はい。何からなにまでお世話さまになりまして、お礼の言葉もございません」