Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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たんげさぜん

丹下左膳

林 不忘

Lesen Sie 丹下左膳 (たんげさぜん) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 340.187 Zeichen · 666 Bildschirme

Aozora Bunko

にささやき合っていたのが、だんだん高くなるにつれてお艶もいつしかそれとなく耳を傾けていると!

……相手はやさ男に乞食ひとり、というのが聞こえた。

さてはッ! といっそう聞き耳を立てたところへ、今宵こそは左膳どのも云々――と誰かが言い出したからこっちの部屋のお艶、うっかり叫び声をあげそうだったのを危うくおさえて、つと鍛冶富のまえへ膝を進めながらニッコリ笑顔をつくった。

が、耳の注意だけはやはり隣室へ!

富五郎は気がつかない。

もとからお艶にぞっこんまいって機会あらばと待ち構えていた彼、羽織衆夢八となってひとしお嬌美を増したお艶の前に、富五郎はもう有頂天になっているのだ。

「いや。人間一生は七転び八起きさ、そりゃア奥州浪人和田宗右衛門とおっしゃるりっぱなお武家の娘御と生まれた身が、こうして芸者風情に――と思うとね、お前さんだっていろいろおもしろくないこともあろうけれど、サ、そこが辛抱だ。なあ、そうやってるうちにアまた思わねえいい芽もふこうってものだ。だがネ、お前さんが栄三郎さんに見限りをつけたのは大出来だったよ。おらあ他人事たア思わねえ、いつも喜左衛門どん夫婦と話してるんだ。