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Japanische Klassiker mit Furigana

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たんげさぜん

丹下左膳

林 不忘

Lesen Sie 丹下左膳 (たんげさぜん) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 340.187 Zeichen · 666 Bildschirme

Aozora Bunko

灌木と草とに、ほとんど全身を埋めて、大きな顔をニヤつかせている小男!

なんという奇怪な! こんな奇妙な人間は見たことがないと……思うとたんに、栄三郎は、一瞬悪寒が背筋を走るのをおぼえて、こんどは、この男の主人らしい若侍へ目を移した。

やせぎすの小男……黒のふくめんをしているので、その面立ちは見きわめるよしもないが、切れ長のうつくしい目がやきつくように栄三郎のおもてに射られて、それが、単に気のせいか、なみだにうるんでいるごとく栄三郎には思われるのだ。

栄三郎はキッとなった。

「助剣のおつもりかは知らぬが、いらぬことをなされたものでござる……」

すると、

「エヘヘヘ」

笑い出した男をつと片手に制して、若侍は無言のままきびすを返して、森の奥へはいろうとする。

その、回転の動作に、なんとなく栄三郎の記憶を呼びおこすものがあった。

「お!」栄三郎はあえいだ。

「や、弥生どの――ではござりませぬかッ!」

が、弥生は返事はおろか、見かえりもしないで、豆太郎をうながし、森の中のむらさき色へ消えようとしている。

「弥生どのッ! オオそうだッ、弥生どのだッ!」

という栄三郎の声に、弥生が逃げるように足を早めると、ならんで歩いている豆太郎が、横から顔を振りあおいだ。