Japanische Klassiker mit Furigana
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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
Lesen Sie 丹下左膳 (たんげさぜん) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 340.187 Zeichen · 666 Bildschirme
「ほほう! 気がふれた女か?」
「御意にござります。しかもその気のふれようが大それておりまして……」
「よい、よい! 大切に介抱してつかわし、さっそくに身もとを探すがよかろう」
やさしい目が細く糸を引いて、その見知らぬ女に対する忠相の思いやりがしのばれる。
めっそうな! というふうに、大作はいそがしく言葉をつづけた。
「ところが――でござりまする。その狂いようたるや、とうていなみたいていではございませんので」
「フウム! どうなみたいていではないかナ? そちのもとへ押しかけ女房にでも参ったのか」
「これはお言葉、はははは……いえ、そのようなことなれば、わたくしにもまた覚悟がございますが、ただ君に拝顔を願っておりますしだいで――」
「なに、わしに会いたい?」
忠相は、ふしぎそうに目をしばたたいた。
「さようでござりまする」と一膝乗り出した大作、
「御前様に気のふれた女のちかづきがあろうとは、大作きょういままで夢にも……」
「ハッハッハ! ただいまの返報か――うむ、それはいかにも忠相の負けじゃ。はははは、しかし、それなる女何の故をもってわしに面接を願い出ているのかナ?」