Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

たんげさぜん

丹下左膳

林 不忘

Lesen Sie 丹下左膳 (たんげさぜん) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 340.187 Zeichen · 666 Bildschirme

Aozora Bunko

考えることができなくなるのだった。

剣に鋭かった亡父の気性を、弥生はそのまま恋に生かしているのかも知れない。はじめて男を思う武士の娘には、石をもとかす焦熱慕念のほか、何ものもなく、ひとりいて栄三郎さま! と低声に呼べば、いつでもしんみりと泣けてくるのが、自らおかしいほどだった。

この純情を察して、きょうこっそりと叔父の多門が、鳥越の栄三郎の実家へ養子の掛け合いに行ったことは、弥生もうすうす感づいているが――そのためか、この高鳴る胸はなんとしたものであろう?

霜に悩む秋草のように、ほっそりとやつれた弥生が、にわかに暗くなったあたりに驚いて、行燈をとりに立とうとした時、ちょうど眼のまえの空に、天井から糸を垂れて降りてきた一匹の子蜘蛛を見つけた。弥生が懐紙で上部を払うと、蜘蛛は音もなく畳に落ちたが、同時に、あわてて逃げようとする。

夜の蜘蛛は親と思っても殺せ――それとも昼の蜘蛛だったかしら?

と弥生が迷っているうちに子蜘蛛は、しすましたり! と懸命に這ってゆく。

その小さな努力が珍しく弥生をほほえませた。

「そんなに急いでどこへ行くのこれ、お前には心配もなにもなくていいね」