Japanische Klassiker mit Furigana
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くぼたべいさいくんのおもいで
久保田米斎君の思い出
岡本 綺堂
Lesen Sie 久保田米斎君の思い出 (くぼたべいさいくんのおもいで) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.435 Zeichen · 17 Bildschirme
それだけ見物が感心するかどうかは疑問ですが、ここが前申した通り、好でなければ出来ないところです。役者にしたって同じ事で、下廻りの役者なんぞは、随分給料が安いといって不平を並べますが、大根はといえば好なんだから唐物屋なら唐物屋で、もっと給料を出すからといったところで、役者をやめて其方へ行きやしません。電車の運転手がハンドルを動かしているのとはわけが違う。芝居の方でもそこを心得ているから、奴らは何ていったって役者をやめやしないというんで、給料も余計は払わない、ということになるんでしょう。
大分余談が多くなりました。米斎君の舞台装置ではもう一つこういう話がある。明治四十三年の暮に私は『貞任宗任』というものを書きました。これは翌年の正月に幸四郎と左団次が演じたもので、例によって舞台装置は米斎君に御願いするつもりでいたところ、京都へ旅行なすっていて間に合わない。他に願う方もないものですから、エエいい加減にやっちまえというわけで、私が自分でごまかしておいた。米斎君は正月になって帰られて、芝居を見るといろいろ間違を指摘された。一言もないので、二度目にやる時には御指図に従いますから、といって、大正五年に歌舞伎座で再演した時には、万事米斎君に御願いしました。