Japanische Klassiker mit Furigana
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ここのつのかぎ
九つの鍵
野村 胡堂
Lesen Sie 九つの鍵 (ここのつのかぎ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 21.349 Zeichen · 42 Bildschirme
屋上の二青年
その時は麻薬でやられた人たちもどうやら元気を取りもどし、警察からさっそく警官を派遣して、調査や保護に当ってくれたので、狩屋邸のほうはまず心配はありません。
「ちょっとちょっと、ポストに何かはいっているようだ」
門を出る時、三郎はポストを覗いて、一通の手紙を取り出しました。平凡な西洋封筒で、狩屋三郎殿と書いてあり、封もしてありませんが、中から出たのは、さっき窓から投り込まれたと同じ紙片に書いた三行、
愛子は九つの鍵が手にはいるまでこっちに留めおく、ただし警察に訴えると、愛子の命はないぞ
K
こう読めるのです。
「相手は警察がこわいのだ、――ともかく、こっちはこっちだ」
狩屋三郎はその手紙を門前にいる警官に渡して、悪魔への挑戦の第一歩を踏み出したのです。
続く照国の誠一、波野幸子、馬吉少年、冬の陽は、赤々とこの一行を照しておりました。
屋上の二青年
「愛ちゃんはたしかにこのビルディングの上に釣り上げられたというのだネ、君」
照国とあだなを取った植野誠一青年は、ビルディングの下に立って、その頂上をながめました。正面にはコンクリートの上に緑色の文字で山の手ビルディングと浮き出させ、一おうの体裁は整っておりますが、中はまだほんとうに修復が出来ていないらしく、何んとなく殺風景で、明るい太陽の下で見ると、人間が住んでいそうもあり