Japanische Klassiker mit Furigana
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ここのつのかぎ
九つの鍵
野村 胡堂
Lesen Sie 九つの鍵 (ここのつのかぎ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 21.349 Zeichen · 42 Bildschirme
「君と幸子さん姉弟が潜り込んだという地下室の暖房装置の石炭を運び入れる口は、あの通り狭くて君が潜り込むのが精一杯だ」
「悪者があの口から愛ちゃんを抱え込んで脱け出すことなどはできないよ、――できるにしても時間がかかって、君たちが駆けつけるまでにはむずかしかったはずだ」
「それから」
「幸子さんはこのビルディングに脱け穴があると聴いているというけれど、鉄筋コンクリートの簡単な建築だから、そんなものがあれば焼けた時わかるはずだ、まだ修復もほんとうにできていないくらいだから、われわれに見つけられないような、むずかしい脱け穴があるはずはない。もっとも地下室には基礎工事の時地下水を汲み出すのに使った、深い空井戸があるから、たぶんあれが昔は脱け穴に使われていたんだろう。でも、今は焼けた材木と鉄屑とコンクリートのかたまりが一杯詰まっているから、ネズミ一匹だってもぐれないよ、仮りにもぐったところで、出口はビルディングの北側のマンホールらしいがあすこも焼け屑でめちゃめちゃに塞がっているから、今ではまったく脱穴の役に立たない」
「すると、悪者は愛子を屋上へ引上げて、どこへ行ったんだ?」