Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ふたつのにわ

二つの庭

宮本 百合子

Lesen Sie 二つの庭 (ふたつのにわ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.492 Zeichen · 389 Bildschirme

Aozora Bunko

そして、平らかな上まぶたの下からほとんどおこったように苦しく圧縮された視線を伸子の上に射かけた。

「僕がばかだっていわれたときは、暴力論だったの」

「…………」

話がこういう風に展開したことは伸子にとって不意うちであった。伸子の心に革命、赤露、社会主義というような字が次々に浮びひらめきすぎた。

「人類のためよりいい社会をつくるというんなら、なぜそのために暴力なんて使わなけれゃならないのかなあ。――僕、どうしたって暴力ってわるいもんだと思う」

保は、訴えるようにつづけた。

「いいことのために、わるいことをするって、まるで矛盾だと思うんだ。よくないことは、どういうためにつかったってよくないと思う」

やっぱりそうだった。伸子はそう思った。保でさえ、伸子の知っているより遙かにどっさりのことを、仲間と話し、考えあっていたのだ。盟休した二高の学生たちばかりでなく、みんながこういうことを話している。伸子はそれらの青年たちに対して羨望の感情を抱いた。現在まだ続いている問題だと見えて、保はくりかえし、

「僕にはわからない」

といった。

「いいことのためには、絶対にいい方法をとるべきだと思う」