Japanische Klassiker mit Furigana
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ふたりまちやっこ
二人町奴
国枝 史郎
Lesen Sie 二人町奴 (ふたりまちやっこ) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 9.555 Zeichen · 19 Bildschirme
「それにさ唐犬の兄貴達が、水野を討とうと切り込んで、手筈狂って遣り損なってからは、いよいよお上の遣り口が、片手落偏頗に見えてならねえ」
これにも弥左衛門は不平らしい。
「うん、そいつだよ、偏頗だなあ」
緋鯉の藤兵衛も不平らしく、
「爾来お上では俺達を、眼の敵にして抑えるんだからなあ」
「兄弟分の大半は、遠島の仕置にされてしまった」
「町奴の勢力も地に落ちたよ」
「そいつも水野をはじめとし白柄組の連中のお蔭だ」
「その連中がよ、どうかというに、近来益々のさばり居る」
「夜ふけて通るは何者ぞ、加賀爪甲斐か泥棒か、さては坂部の三十か……江戸の人達は唄にまで作り、恐れおびえているのになあ」
「お上の片手落ちも甚しいものさ」
緋鯉の兄貴と、釣鐘弥左衛門、にわかに調子を強めたが、
「それにしても俺たちには不思議でならねえ、唐犬の兄貴一統が水野の屋敷へ切り込んだ時、俺らは旅へ出ていたから、加わることも出来なかったが、兄貴はその時江戸にいたはずだ、それだのに一味に加わらずに、一人仲間から外れたのは、一体どういう訳だろうね? 他ならぬ兄貴のことだから、卑怯の結果とは思われねえが、俺らには訳がわからねえ」