Japanische Klassiker mit Furigana
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にじゅうしんぞう
二重心臓
夢野 久作
Lesen Sie 二重心臓 (にじゅうしんぞう) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 65.188 Zeichen · 129 Bildschirme
家の中には貴方の原稿以外に貴重品なんか一つも無いでしょう。……それからね。序に途中で寄道をしてロッキー・レコードへ寄って契約して来ちゃったわ。一個月二百円で……」
「ゲエッ。ほんとかい……それあ……」
「ええ。だって轟さんが死んじゃったら妾たちだって相当の覚悟をしなくちゃならないんでしょう。契約書見せましょうか……ホラ……」
「ウウムム。ビックリさせるじゃないかヤタラに……」
「世話してくれた人トテモ喜んでたわ。妾の声は西洋人がヤタラに賞めるんですってさあ。この間テストした時に……ですからモウ誰の世話にならなくとも大丈夫よ。轟さんから受けた御恩を呉羽さんにお返しするだけよ」
「お前はたしかに俺より偉いよ。今夜という今夜こそ完全にまいった」
「ホホホ。まだエライとこ在るのよ」
「ナナ何だい一体……」
「当てて御覧なさい」
「わからないね」
「さっきの電話の話ウソよ」
「ヘエッ。何だって……」
「アラッ。まだわかっていらっしゃらないのね」
「だって、まだ何も聞きやしないじゃないか、トリックの事……」
「自烈度いお兄さんたらないわ。あのね……あたし今夜貰った契約の前金で変装して今夜のお芝居見に行ったのよ。