Japanische Klassiker mit Furigana
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ごかいのまど
五階の窓
小酒井 不木
Lesen Sie 五階の窓 (ごかいのまど) von 小酒井 不木 (こざかいふぼく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 21.512 Zeichen · 43 Bildschirme
「いい覚悟だ。それで、きみは確かに二千円をポケットに入れたのだね?」
「入れました」
「その金はどうした?」
野田は上衣のポケットに手をやって一束の紙幣を取り出し、
「これがそうです」
と言って、主任の前へ差し出した。
恒藤主任は百円紙幣の束を取り上げて勘定したが、
「こりゃきみ、十枚だけじゃないか。あとの十枚はどこにある?」
野田は当惑そうな顔をして、
「どうか、その紙幣をよくお調べ願います」
と、やさしい声を出した。
言われて、恒藤主任はそのうちの一枚を抜いて手に取り、しばらくの間、紙幣の表裏を検査していたが、やがて、
「やっ、これは贋造紙幣だ!」
と叫んだ。さすがは、とくにこの道で苦労したことのある恒藤主任、よほどの眼識を持った人でも、容易に区別のつかぬ贋造紙幣を、ものの二分もたたぬうちに見分けたので、野田はいくらか尊敬の心を湧かした。
「仰せのとおり贋造紙幣です。ですから、社長の名誉のためにわたしが奪い取り、またそれがために北川くんにも口止めしたのです」
「すると、社長がこの紙幣を贋造したのか?」
「いえ、違います」
と、野田はきっぱり言った。
「じゃ、なぜいったん二千円の金を社長に渡して、それを取り返したのだ。