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Japanische Klassiker mit Furigana

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ひとをころすいぬ

人を殺す犬

小林 多喜二

Lesen Sie 人を殺す犬 (ひとをころすいぬ) von 小林 多喜二 (こばやしたきじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 2.386 Zeichen · 5 Bildschirme

Aozora Bunko

二十三だった。源吉が、二日前の雨ですっかり濁って、渦を巻いて流れていた十勝川に、板一枚もって飛びこんだということはあとで皆んなに分った)

*          *

飯がすむと、棒頭が皆を空地に呼んだ。

まただ!

「俺ァ行きたくねえや……」皆んなそう言った。

空地へ行くと、親分や棒頭たちがいた。源吉は縛られたまま、空地の中央に打ちぶせになっていた。親分は犬の背をなでながら、何か大声で話していた。

「集まったか?」大将がきいた。

「全部だなあ?」そう棒頭が皆に言うと、

「全部です」と、大将に答えた。

「よオし、初めるぞ。さあ皆んな見てろ、どんなことになるか!」

親分は浴衣の裾をまくり上げると源吉を蹴った。「立て!」

逃亡者はヨロヨロに立ち上った。

「立てるか、ウム?」そう言って、いきなり横ッ面を拳固でなぐりつけた。逃亡者はまるで芝居の型そっくりにフラフラッとした。頭がガックリ前にさがった。そして唾をはいた。血が口から流れてきた。彼は二、三度血の唾をはいた。

「ばか、見ろいッ!」

親分の胸がハダけて、胸毛がでた。それから棒頭に

「やるんだぜ!」と合図をした。