Japanische Klassiker mit Furigana
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じんがいまきょう
人外魔境
小栗 虫太郎
Lesen Sie 人外魔境 (じんがいまきょう) von 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 20.384 Zeichen · 42 Bildschirme
それを折竹がパラパラとめくって、太い腕とともにグイと突きだしたページには、なんと、“Incolapalustris”沼底棲息人と明白にあるのだ。私は、折竹の爆笑を夢の間のように聴きながら、しばしは茫然たる思い。
「ハハハハハ、魔境やさんが、驚いてちゃ話にもならんじゃないか。どれ、この坊やをおろして、本式に話すかね」
折竹の膝には、私の子の三つになるのが目を瞠っている。ターザンのオジサンという子供の人気もの――折竹にはそういう反面もある。童顔で、いまの日本人には誰にもないような、茫乎とした大味なところがある。それに加えて、細心の思慮、縦横の才を蔵すればこそ、かの世界の魔境未踏地全踏破という、偉業の完成もできたわけだ。その第五話の「水棲人」とは?……折竹がやおら話しはじめる。
「ところで、これは僕に偶然触れてきたことなんだ。『神にして狂う』河攻撃の計画の疎漏を、僕が指摘したので一年間延びた。そのあいだ、ぶらぶらリオ・デ・ジャネイロで遊んでいるうちに、偶然『水棲人』に招きよせられるような、運命に捲きこまれることになった。
えっ、その水棲人とはどこにいるって※(疑問符感嘆符、1-8-77) まあまあ、急かせずにブラジル焼酎でも飲んでだね、リオの秋の四月から聴きたまえ」