Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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じんがいまきょう

人外魔境

小栗 虫太郎

Lesen Sie 人外魔境 (じんがいまきょう) von 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 20.384 Zeichen · 42 Bildschirme

Aozora Bunko

魔境「蕨の切り株」

お計らいなら手前致しますが、なんせい、美しいだけに、ちょっと高価うございますよ」

すると、カムポスはそれを遮って、違うと叱るように言った。

「あれじゃない。ホラ、あの右にいる黒いドレスの方だ。あれは、まさかここの妓じゃあるまい」

「ほう、あの方」とチップを貰ったボーイが、にこっとなって言った。「あの方は、グローリァ・ホテルにご滞在中とかでございます。ここでは、たまにルーレットをおやりになるくらいのもんで、マアこんなところへ何でお出でになっているのかと、手前どもも不審に存じあげておりますんです」

その婦人は、もう娘という年ごろではないかもしれぬ。面長で、まさに白百合とでもいいたい上品な感じは、まったく周囲が周囲だけに際だって目立つのである。カムポスは、妙に熱をもったような瞳でじっとその婦人をみていたが、まもなく、運定めをする賭け場へはいっていった。

魔境「蕨の切り株」

そこは、人間の運がいろいろに廻転し、おい、奢るぞ――と勢いよく出てくるのもあれば、曲ってる! なんて三リンボウが続きァがるんだと、いずれは、ピストルのご厄介らしくうち悄れてしまうものもある。