Japanische Klassiker mit Furigana
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じんがいまきょう
人外魔境
小栗 虫太郎
Lesen Sie 人外魔境 (じんがいまきょう) von 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 101.713 Zeichen · 205 Bildschirme
カークが砂川の下の粘土層のうえが、地下流だというのをやっと思いだしたからである。ほかにも、ここへくると大枝をもってきて、ささやかながら小屋も建てられた。そうして、熱射も避け、水も手に入れ、ときどき鳥をうっては腹をみたす。が、なにより困ったのは青果類の欠乏で、そろそろ壊血病の危険が気遣われるようになってきた。
すると、ちょうど六日目の午後に、一台の飛行機が上空に飛んできた。待ちに待ったアメリカ地学協会のものらしい。三人が飛びだして上着をふっていると、その飛行機からすうっと通信筒が落ちて来た。駆けよって、ひらいてみると、明日午後に――と書いてある。ながい惨苦ののちにやっとモザンビイクに帰れる。マヌエラは、感きわまって子供のように泣きはじめた。
しかしそのとき、その衝撃が因でまたラターがおこった。今度は、カークのまえなので隠すこともできず、座間はその晩ねむれるどころではなかった。
(可哀そうな、かなしいマヌエラ。ここで、よしんば助かるにしろ、先々はどうなろう。治るまい、おそらく真の狂人に移ってゆくだろう)
暗中に、目を据えて焚火を見つめながら、座間は痩せ細るような思いだった。