Japanische Klassiker mit Furigana
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じんがいまきょう
人外魔境
小栗 虫太郎
Lesen Sie 人外魔境 (じんがいまきょう) von 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 101.713 Zeichen · 205 Bildschirme
精悍、不屈の闘志は面がまえにも溢れている。三十代に、加奈陀ロッキーの未踏氷河 Athabaska をきわめて以来、十年、彼は恒雪線とたたかっている。雪焼けはとうに、もう地色になっていて、彼は自他ともゆるす世界的氷河研究家だ。
「弔い合戦」と、のぞき込むような目でダネックが言った。それは、彼自身にとっても身を焼くような執着である。
「君も、今度は木戸のために闘うところだったね。『天母生上の雲湖』に復讐するところだったね」
「そうだ。ところで、君に言おうかどうかと迷っていたんだが……」と、とつぜん折竹が改まったように、切りだした。
「さっき、白夷人の召使が聴き噛ってきたんだがね。ここへ何でも、『天母生上の雲湖』ゆきの新隊がのり込んできたというのだ」
「なに、われわれ以外の探検家とはどこの国のだ※(疑問符感嘆符、1-8-77)」
みるみる、ダネックの目がすわり、額が筋ばってくる。これが、彼のいちばん不可ないところだった。じぶんを持することあまりに高いために、すぐ人と争い猜疑心を燃やす癖がある。いまも這々の体でもどったところへ新しい隊と聴き、彼はさながら身を焼くような思いだったろう。