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Japanische Klassiker mit Furigana

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じんがいまきょう

人外魔境

小栗 虫太郎

Lesen Sie 人外魔境 (じんがいまきょう) von 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 101.713 Zeichen · 205 Bildschirme

Aozora Bunko

しかも、それが大盲谷へ達している。と、僕はこう睨んでいるのです。ねえ、地下からの採油も乙なもんですぜ」

「航空用良質油」

とセルカークがふたたび呻いた。折竹がならべるでたらめもさすが彼だけに整然たるもの。それが駆りたてる夢幻黄金境。いまやセルカークは大欲にうめいている。

「儂もむかしは、汲出機をもって、掘りあるいたもんでした。そして、良い油井に出逢ったのが、三十のときだった。ところがね、遮水管の抜き出し処置がわるく、火花をおこして焼けてしまったのですよ。ねえ、若いころは、誰にも夢がある。それが、五十になった今、蘇ってくるなんて」

と、だんだんセルカークは恐ろしげな顔になってゆく。しめた、と、折竹がほくそ笑むところへ、

「じゃ、なんでしょう。『大地軸孔』の怪焔も、おなじ意味合いのもんで」

「そうです。あれも、『大盲谷』中の一つの覗き穴です。しかし、大盲谷をうずめる全部の油量は? セルカークさん、測れますかね」

と、唆るようにセルカークの顔をみる、折竹も相当の役者ではないか。俺を放て……そして、大塩沙漠へやり、覗き穴を探させろ……そうすりゃ、セルカークは億万長者になれる。