Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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じんがいまきょう

人外魔境

小栗 虫太郎

Lesen Sie 人外魔境 (じんがいまきょう) von 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 101.713 Zeichen · 205 Bildschirme

Aozora Bunko

ドドを、悪魔の尿溜と組合せることは、もう科学者の領域ではなかったからである。

それから先生は、ドドのために急遽帰国する決意をし、あたふたと時計をみながら帰っていった。そのあと、座間とカークが疲れたような目で、ぼんやりと屋並みをながめている。

砂糖菓子のような回教寺院の屋根も港の檣群も、ゆらゆら雨脚のむこうでいびつな鏡のようにゆれている。そのとき、仏マダガスカル航空の郵便機が、雨靄をくぐりくぐり低空をとおってゆく気配。座間は、むっくり体をおこして言った。

「君、あれなんだがね」

「あれって? 飛行機がどうしたというんだね」

「つまり、ドドのことなんだ。ドドは、飛行機をみてもけっして恐がらないのだぜ。かえって、嬉しそうな目付きで、奇声さえあげる。そうかといって、『悪魔の尿溜』の近傍に航空路はないよ。英帝国航空も、フランスの亜弗利加航空も、それぞれ地図のうえで半度以上も隔っている。奇怪だ。猿人、原人といわれるドドが飛行機に驚かない。それでいて、王蛇や豹をみるとひどく恐がる」

「きっと『悪魔の尿溜』探検の飛行機でもみたんだろうよ。しかし、五度や六度で、馴れるとは思われないな」