Japanische Klassiker mit Furigana
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じんがいまきょう
人外魔境
小栗 虫太郎
Lesen Sie 人外魔境 (じんがいまきょう) von 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 101.713 Zeichen · 205 Bildschirme
ねえ、ヤンはヤン、こっちはこっちですわ」
と、香りのいい髪を嗅がすように、座間の胸のなかへ頬をうずめる。
「あたしは、あなたの日本の血を尊敬してますわ」
まるで素直な子供のような言い方であった。座間には、それが弱い電気のように、快よく響いてくる。すると、マヌエラがふと話題を変え、
「そうそう、この週の報告をしなきァなりませんわ。でも、ドドは相変らずですの」
と、引き受けたドド馴育の結果を話しだした。
「火がわかったのが三週まえでしたね。手工はどうでしょう?」
「まだ、そんなにお急きになったって……。でも、先生から言いつけられたことは、ちゃんちゃんとしてますわ。ちかごろは、いったいドドがどんな機嫌でいるか――つまり、ドドの感情表出も見ています」
「はあ、それがわかりますかね」
「ええ、第一ドドは笑われるのを嫌います。それに、色も知っているし記憶力もたしかです。また、相当な学習能力もあります。それで、いつもあたしが使っている水仙色の封筒ね、あれを、構内のポストに入れるのを昨日あたりから覚えましたの」
「ほう、そりゃお手柄だ、それから、先生がいわれた餌料による実験は?」