Japanische Klassiker mit Furigana
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じんがいまきょう
人外魔境
小栗 虫太郎
Lesen Sie 人外魔境 (じんがいまきょう) von 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 101.713 Zeichen · 205 Bildschirme
まったく、ドドはマヌエラのそばを一瞬の間もはなれようとしない。いないと、いまも聴えるように悲しそうな叫び声をたてる。
お嬢さん、いまに魅入られますよ――と、カークは冗談に言ったけれど、まったく二人の親密さにはそう言いたくなる。
ところが、その夜不思議な出来事がおこった。
夜になると、温度はいくぶん下がるけれど、その倦怠さと発汗の気味わるさ。湿気の暈が電灯の灯をとりまいている。
こういう時には、ドドの唸り声さえもちがってくる。じつに、誰でも平常でなくなるような、蒸し暑い、いやな晩であった。
その夕、座間はヤンと激論を戦わした。それは、ドドを売れば十万やそこらにはなるだろうから、それにヤンの資産をくわえて研究所を拡張し、名実兼ねた総合病院にしようというのだった。つまり、座間がしている社会施設を、ヤンが営利化しようというのである。
しかし、これには、なによりマヌエラが真向から反対した。それでも、ヤンは嘲笑って、なアにお父さんを説き伏せて晩にきますよと、洒々と自信ありげに帰っていったのである。そうして、研究所に一つの危機がくることになった。
と、その夜、座間が寝つかれないので、書斎へゆこうとしたとき、ドドの部屋のまえをとおると、鍵がおりてない。