Japanische Klassiker mit Furigana
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じんがいまきょう
人外魔境
小栗 虫太郎
Lesen Sie 人外魔境 (じんがいまきょう) von 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 101.713 Zeichen · 205 Bildschirme
けれど今となっては、それがじぶんたちには狂人の刃物も同様。もう、どうあがこうにも……、彼の狂気の犠牲となるより他はなさそうに思われる。
防虫組織や飛行機などは、いかにも神秘境と背中合せの近代文明という感じだが、ナイルの閉塞、イタリア機の連絡とは、じつに華やかながら実体のない、狂人バイエルタールの極光のような幻想だ。いやいま、この猿酒宮殿に倨然といる彼は、そのじつ、悪魔のような牧師の舌上におどらされている、あわれなお人よしの痴愚者なんだと、座間だけはそう信じていたのである。
やがてドドをまじえた一行五人は小屋に押しこめられた。もっとも、番人もつけられず鍵もおろされない。武器も弾薬も依然として手にある。これはバイエルタールの手抜かりというわけではなく、四か所の石階に厳重な守りがあるからだ。
アフリカ奥地の夜、山地の冷気が絶望とともに濃くなってゆく。蟇と蟋蟀が鳴くもの憂いなかで、ときどき鬣狗がとおい森で吠えている。その、森閑の夜がこの世の最後かと思うと、誰一人口をきくものもない。ときどき君が言いだしたばかりにこんな目に逢ったのだと、ヤンが座間を恨めしげに見るだけであった。