Japanische Klassiker mit Furigana
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じんがいまきょう
人外魔境
小栗 虫太郎
Lesen Sie 人外魔境 (じんがいまきょう) von 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 101.713 Zeichen · 205 Bildschirme
(“Latah”だ。マヌエラにはマレー女の血がある“Latah”は、マレー女特有の遺伝病、発作的神経病だ。ああ、いますべてが分ったぞ。あの夜の、ヤンとのあの狂態の因も……、いま、マヌエラの発作が偶然われわれを救ってくれることも……)
“Latah”は、さいしょ軽微な発作が生理的異状期におこる。そのときは、じぶんがなにをしているかが明白と分っていながら、どうにも目のまえの人間の言葉を真似たくなり、またその人の動作をそのまま繰りかえす――つまり、反響言語、返響運動というのがおこる。してみると、いつかのあの夜も、と――座間には次々へと浮んでくるのだ。
あのとき……、ヤンが、あたしを愛してくれますか――と小声で言うと、ちょうど、それそっくりの言葉をマヌエラが繰りかえした。また、抱こうと腕をかけると彼女もおなじ動作をした。それから淑女らしくもない醜猥なひとり言も、思えば醜言症という症状の一つなのだ。ああ、マヌエラにはマレーの血があるのだ。おそらく、マレー人系統のマダガスカル人の血が、何代かまえに混入したのであろう。そしていま、それがいく代か経ってマヌエラにあらわれたのだ。