Japanische Klassiker mit Furigana
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にんげんひょう
人間豹
江戸川 乱歩
Lesen Sie 人間豹 (にんげんひょう) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 155.989 Zeichen · 311 Bildschirme
だが、これはまあなんという変てこな風体であろう。出かけて行った時そのままの、醜悪な人獣のメーク・アップ、薄黒く塗って隈をつけた骨ばった顔、まっ赤な唇、牙のような入歯を含んだ恐ろしい口。その異様な風体の上に、小脇には一人の洋装の女がグッタリと抱えられている。
小林少年はそれを見ると、ハッとして思わず逃げ腰になったが、よく考えてみれば、実はなんでもないことであった。明智が抱えているのは、生きた人間ではない。恩田を捕えるために囮に使ったマネキン人形にすぎないのだ。
「お帰りなさい」
小林少年は丁寧に主人を迎えた。
「この人形をね、さいぜんの木箱の中へ入れておいてくれたまえ。あとから人形屋が取りにくるんだからね」
明智は小林に人形を渡すと、靴を脱いで上にあがった。
人形の木箱は、暗い廊下の突き当たりに置いてある。小林がエッチラオッチラ、マネキンを運んで、その木箱のところへ行くうしろ姿を、明智はなぜかじっと眺めていたが、やがてツカツカとそのあとを追って行って、うしろから少年に抱きつくような恰好をしたかと思うと、そこのドアをひらいて、女中部屋へはいっていった。
探偵は一体なんのために、そんなまねをしたのか。