Japanische Klassiker mit Furigana
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にんげんひょう
人間豹
江戸川 乱歩
Lesen Sie 人間豹 (にんげんひょう) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 155.989 Zeichen · 311 Bildschirme
恐ろしき借家人
しばらく待っているんですよ」
そして、ピシャンと押入れの襖がしまった。
文代さんはもう身動きすることも、見ることも、聞くこともできなかった。ただ地獄の暗闇と、墓場の静寂があるばかりであった。墓場といえば、身じろぎもできない木箱の中は、なんとやら棺桶を連想させた。しかも地底に埋められた棺桶を。
だが、まさか文代さんをこのままにしておいて餓死させるというのではあるまい。「人間豹」の死刑はそんな生やさしいものではないであろう。ああ、いったいあいつは何を考えているのだ。熊の皮がそれにどんな関係を持っているのだ。早く知りたい。いかほど恐ろしいことにせよ、知らないよりはましだ。想像の届かぬ恐怖には耐えられぬ。
恐ろしき借家人
お話は元に戻る。
愛妻文代さんの姿を見失った明智小五郎の狼狽は無理もないことであった。名探偵だとて人間である。時には失策もすれば、狼狽もする。ただ彼の偉さは、精神的打撃を長引かせないことであった。たとえ失策をすればとて、結局においてはその失策を取り返してあまりあるほどの、智力と活動力を持っていることであった。かくのごとき人物にあっては、失策も失策ではない、狼狽も狼狽ではない。